1962年に大阪府和泉市で創業の堀田カーペットは、ウィルトン織機でウールカーペットを作り続けています

お手入れ

カーペットメンテナンス〜こぼしたコーヒーの対処編〜

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    目次

      前回はオレンジジュースで実験しましたが、今回はカーペットにホットコーヒーをこぼしてみました。
      コーヒーの染みにどこまで対処できるのか実験してみたいと思います。

      カーペットには「WOOLRUG Knittingのアイボリー色」を使います。

      それでは早速、ホットコーヒーをこぼしてみます。

      ウールにはもともと油分があるおかげで、はじめのうちはコーヒーが弾かれていますが、温かい液体は徐々に浸透していきます。

      食器を洗う際、冷水よりもお湯のほうが油汚れを落としやすいですよね。その原理と同じで冷たいものよりも温かいものの方がウールのカーペットにも浸透しやすくなります。

      しっかり浸透したところで、コーヒーを除去します。

      まずは乾いた布巾やキッチンペーパーなどでしっかりコーヒーを吸い出します。繊維が毛羽立ったり、汚れも落ちにくくなってしまわないよう、「絶対に擦らない!」ことが重要です。

      しっかり吸い出したましたが、コーヒーの色が残ってしまいました。

      お湯の場合

      ここからはお湯をつかって汚れを落としてゆきます。

      ぬるま湯をコーヒーのシミに適量たらします。

      すぐに乾いた布巾などでコーヒーを吸い出します。

      これを何度か繰り返します。

      コーヒーのシミはだいぶ薄くなりましたが、少し残っています。

      これだけ薄くなれば十分です。

      あとはウール特有の遊び毛効果で掃除機をかけることで目立たなくなってゆきます。これ以上無理に汚れを落とそうとすると繊維にダメージを与えてしまうことになりますので、この程度でやめることが重要です。

      スチームクリーナーの場合

      次にお湯の代わりにスチームクリーナーでコーヒーの染み抜きをしてみましょう。

      スチームクリーナーにはケルヒャー社のSC-1プレミアムを使用します。

      こぼしたコーヒーを乾いた布巾で吸い出すところまでは同じ作業です。

      しっかり吸い出したあとに、スチームクリーナーでシミの部分にスチームをあてます。

      表面が濡れる程度スチームをしたら、乾いた布巾などで吸い出します。

      これをシミが薄くなるまで何度か繰り返します。

      お湯同様この程度までシミが薄くなったところでやめ、自然乾燥させます。

      さて、結果として、お湯でもスチームクリーナーでもコーヒーのシミが残ってしまいました。(上:お湯 下:スチームクリーナー)

      このあとのメンテナンスはウールのもつ自浄作用にゆだねます。

      自浄作用のひとつは、遊び毛効果。ウールから出てくる毛玉がホコリや汚れも一緒に絡めとってくれます。
      ●ウールの遊び毛について
      https://hdc.co.jp/basic-maintenance/
      また、ウールの表皮である「スケール」(髪の毛でいうキューティクル)は気温や湿度により開いたり閉じたりするので、内側まで汚れが浸透していなければ、カーペットの上に座ったり足で踏んだりと日常使いするうちに自然と汚れが取れていきます。
      もし洗剤を使用する場合は、希釈した中性洗剤にしましょう。カーペットに使うウールは主に酸性染料を使って染色しているので、市販のアルカリ性のカーペットクリーナー(化学繊維用)では、色落ちしてしまうかもしれません。
      中性洗剤でも色落ちの可能性はあるので、お湯やスチームクリーナーでの対処をおすすめいたします。
      市販の染み抜き商品(ステインリムーバー)の種類も増えていますので、こちらでも実験を検討します。

      ●堀田カーペットx木村石鹸共同開発「カーペットクリーナー」発売開始
      https://shop.hdc.co.jp/products/carpet-cleaner